注文住宅購入講座

ヨーロッパの住居から教わる、居心地の良い快適な空間作りの方法

はじめに

一生の買い物である『家』、一戸建てかマンションか、新築か中古かと、そのかたちは様々ですが、どんなかたちにでも共通している家づくりのポイントは、「いかに居心地の良い、快適な空間をつくりあげることができるか」、にあげられます。

前回、新しい空間をつくる第一歩として、イメージづくり、スタイルの設定、時間に対する考え方など、日本での空間づくりのヒントにできるヨーロッパの基本的な考え方をご紹介しました。

何となく自分の住みたい空間の輪郭が見え始めてきたら、次は少しずつ具体的な観点から空間づくりについて考えてみましょう。

今日は、新居の場所探しについて考察してみます。

ここでも、ヨーロッパの住居に関する考え方がいろいろと参考になります。

消去法となってしまう場所選びの現状

一戸建ての家にしてもマンションにしても、どこを住居にするのかは大きな選択です。

家族構成にもよりますが、仕事の場所に近いか、近くに学校や公園、児童施設などの公共施設、病院やお店といった生活に必要な施設があるか、電車やバスなどの交通機関が使いやすいか、周辺の環境や雰囲気は良いか、治安面はどうか、などいろいろな側面から思案されるのが普通です。

また近年では、子供の進学問題にも絡んで住む場所を変更したり、高齢になった両親をアシストするために住居を変える例も多々みられます。

日本の住宅雑誌や新聞広告、住宅情報のホームページでよく目にするのが、

  • ○○沿線沿いの駅から徒歩○○分
  • 間取り○LDK
  • 土地面積、建物面積
  • 至近距離に○○や○○があります

中古住宅、マンションの場合は、

  • 築○年

という記載です。

これら記載に加え、金額や間取りなどその他書かれている様々な情報を見ながら、どの物件にするか検討される方も多くいらっしゃるでしょう。

もちろん、全ての要望が叶う場所が見つかればそれに越したことはないのですが、なかなか難しいのが現状です。

そうすると、必然的に、場所や建物の選択の仕方が消去法となってしまいます。

例えば、

  • 駅から徒歩15分以内は必要条件だから、金額に見合う土地面積や建物面積のところにしよう。
  • 近くに学校がなければだめだから、駅から遠くても我慢しよう。
  • 間取りは3LDK以上でなければならないから、築年齢が高くてもしょうがない。

など、せっかく新しい空間を手に入れる準備をしているのに、残念ながら自分の条件を満たすためにいろいろな希望を削っていかなければならなくなってしまいます。

家族の数が多くなればより一層その希望の数は多くなり、同時に消去事項も多くなります。

膨大な住宅情報の中から、一軒を選択するのは容易なことではありません。

自分の想い描く理想の新居をイメージしながら、時間をかけて何件もの物件を見に行くことが必要でしょう。見て行くうちに、自分の希望が整理でき、本当に必要なものは何なのかが明確になります。

新しい空間探しには、これだけは絶対に譲れないと思う条件のランキングをクリアにすることがとても大事です。

親しみのある場所への選択

では、ヨーロッパの人たちは、どのようにしてはじめの場所設定をしているのでしょうか。

前回申し上げましたように、ヨーロッパでは家を親や祖父母から譲り受ける例が多く、受け取った住居は完全にリフォームします。

この場合、場所の選択余地はないため、新しい場所を一から探すことはありません。

一方、自分の資金で新しい家やマンションを購入する人の場合は、当然新居をどこにするのか思案することから始めます。

ここで注目したいのが、新しい物件を購入する人たちも、先祖から譲り受けた人たち同様、基本的に自分たちのよく知っている慣れ親しんだ地域や場所を起点にすることが多いということです。

これは国や都市、地域に関係なく、一般的に見られます。

首都圏に住んでいる人々も、もう少しランクをあげた住居や家族構成の変化に対応する空間を求め、家を変えることが度々あります。

その際、余程の事情がない限り 、今いる場所の近辺で探すのが普通です。同じ市や町の中でも、別のゾーンへ新しい住居を構えるケースはとても稀です。

現在住んでいる家と同じ通りにある空き家を新しく購入する人も少なくありません。

日本では、職場に行きやすいような位置に新居を持ちたい方が多いのも事実ですね。

ところが、ヨーロッパではこのような考えはあまり浸透していないのです。

欧米では、長い通勤時間をかけて仕事に行く風潮がないからだ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに過去においては、職と住の距離がヨーロッパのどの国でも比較的近いのが当たり前でした。

しかし、近年でのヨーロッパの首都圏の状況は、職住接近の割合も非常に低くなり、日本の状況とほとんど変わりません。

それでも、職場や学校、その他の必要な機関が少々遠くなっても、自分の住む場所はよく知っている親しみのあるところであるべきだ、という考えが多いのです。

また、自分が生まれ育った地域で一生を終える人の割合も非常に高いのもヨーロッパの特徴です。

イタリアの古いことわざで、『Moglie e buoi dei paesi tuoi』(女房と牛は身近なところから探した方がよい)というのがあります。

同じ出身地の人と結婚や仕事をした方が、習慣や文化に対する考えがよく似ているので結婚生活や仕事が上手くいく、という意味のことわざです。

結婚の形態や仕事の仕方も時代によって変化しているので、現代ではこのことわざを真に受けることはありませんが、場所に対する想いの深さは、多からず少なからずヨーロッパの人たちの心の奥に深く根付いています。

ヨーロッパもグローバル化の波に乗り、出身地が違う人同士や国際結婚をしているカップルの数も増え、各々の出身地とは遠く離れたところで生活を始める人も多くなってきました。

その人たちの場所探しを見てみると、自分たちが好む地域にまず賃貸で暮らし始め、様子をみます。

何年かその地で過ごしながら土地勘を養い、場所に対して親近感を覚えた頃、家の購入という次のステップに行くケースがよくとられています。

つまり、その場所の長所、短所を既に理解している状態からの新しい空間づくりがヨーロッパの一般的なやり方なのです。

周辺環境のレベル、近隣との関係、家のある通りに面する日当りや風通し、交通量や騒音の具合などあらゆる点を把握しているので、短所を長所に変える空間作りを始めることができます。

そして何よりも、家の完成後の場所に対する 不満は皆無です。

やすらぎを感じられる快適な自分の家は、親しみやすい信頼できる場所が基本である、というのがヨーロッパの人たちの考え方です。

自分の家がその場所の歴史をつくる

ほとんどのヨーロッパの国は都市国家であったという歴史的事実にも沿って、各地域には固有の文化・習慣が生まれ、現在に至っています。

他国からの物理的占領を受けたことのない希有な日本とは違い、ヨーロッパの多くの都市では、長い間、占領や侵略が繰り返され、国やその市町村が確立したのは歴史的レベルで見るとほんの最近のことです。

この背景が、自分の居る場所の大切さをヨーロッパの人々の心に刻みつけているのではないでしょうか。

先祖代々から譲り受けた家に暮らしている人はともかく、若い頃に住み始め、年月をかけて慣れ親しんだ場所の歴史を誇りに思う人が多いことに気づかされます。

これは、人里離れた小さな村や郊外の町に限らず、首都圏で暮らしている人にもあてはまるのです。

日本の場所の様相の移り変わりスピードよりも、ゆっくりと変移を遂げるヨーロッパの景観事情、また取り壊しや再建築が不可能な場所や地域が多いことも要因のひとつでしょう。

ただ、自分の家がその場所の景観を構成し、場所の記憶となる重要なエレメントのひとつであるということを大切に思っている人たちが多くいるのには、いつも関心させられます。

自分の家のある場所の特質を熟知しながら気を配り、それを繰り返すことで街の景観も美しく住みやすいように保存・改善されるようになります。

それが、快適な地域環境を生み出し、自分の家の価値もあがる、という結果にもなります。

まとめ

ヨーロッパの人たちの新居の場所探しについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

新しい家で快適な生活が何十年もできるよう、家の場所選びは慎重にしたいものです。

個人によって、家の場所への希望は異なります。

そして家族構成やそれぞれの暮らし方、や時間の過ごし方も、時を経て変わっていきます。

人生における長い時間的スパンを考慮しつつ、生活のベースにするには何が重要なのか、明確に整理することが良い場所選びの一歩です。

短所を長所と変える家づくりを実行できるヨーロッパの人たちの考えが、みなさんの場所選びのちょっとした参考になれば幸いです。

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