注文住宅購入講座

ヨーロッパの住居から教わる自然と調和できる間取りの考え方

はじめに

新しい住居の場所が決定したら、次に考え始めるのが『間取り』です。

どのような生活シーンを形成できるか、は間取りの考え方にかかってきます。

土地の性質、スペースの大小、また家族の構成、その他いろいろな条件を念頭に入れながら間取りづくりはスタートします。

今日は快適な空間をつくりあげる間取りとはどのようなものなのか、ヨーロッパの例をあげながら考察していきます。

自然との調和

一戸建て住宅でもマンションでも、家の雰囲気に大きな影響を及ぼすのが、自然との調和です。

具体的な部屋や空間を考える前に、住居空間と設定した場所の特質をベースに、日当りや明るさ、風通しがどの向きなら有効的に取れるかを考えることが、間取り作成の第一歩です。

明るい環境で暮らすことは快適な住まいの条件です。

逆に、光が全く入ってこない暗い空間は、湿気を含みやすくカビを発生する原因をつくります。

また同時に、健康を害し、また建物自体の寿命を縮める要因ともなります。

このため、家の向きをどのようにするかは極めて大事なポイントです。

ただ、敷地の形状や周辺環境、また生活スタイルにもより、すべての住宅が南向きに配した方がいいとは限りません。

直射日光にこだわらなくても、天窓や中庭を作ることなどで間接光を取り入れ、明るい空間をつくることもできます。

日本では、最も日照時間の長い南向きの日当りの良い土地に家を建てたい方が多いのは周知の事実ですが、ヨーロッパではそれほど南向きにはこだわりません。

南ヨーロッパでは、日中の温度が非常に高くなるため、南向きの家は好まれません。

この地域の住宅の南向きの壁は、暑さ対策として最小サイズの開口部を配置した例が多いのが特徴です。

また、北ヨーロッパの日照時間の短い寒い地域では、夏は西日の日差しが強く、冬は夕方まで日差しが入る西側の立地が人気です。

ヨーロッパの居住に多いマンションでも、夕日がくっきりと綺麗に見えるように、リビングやテラスの位置を西側に設置したい家庭が多くあります。

日当りと同様、十分考慮したいのが、風通しです。

最近では、高気密、高断熱装備の家が増えてきました。

窓を一切開けなくても快適な環境を提案するハウス・メーカーもでてきましたが、やはり自然の風を生活の中に取り入れたいものです。

「風が入ってくる開口部」と「風が出て行く開口部」をいかに上手く住宅に取り入れるかを、間取りづくりの原点として考えることもできます。

風にもそれぞれ「質」があり、冬に感じるすきま風や春先の突風は不快ですが、春秋の爽やかな風、夏の夕日が落ちつつある時間から吹き始めるひんやりとした風は、とても気持ちのいいものです。

不快な風をできる限り排除し、質の良い風を取り込むことが、住居環境を向上させる鍵でもあります。

ヨーロッパの人たちも、住宅内の風の通り道を重要視します。

実際、ヨーロッパのマンション売買では、建物の立地条件や面積など等規模の物件をみてみると、風の入ってくる窓と出て行く窓が対角線状にある物件はそうでない物件に比べ、非常に高い値段設定となっています。

共通スペースと個人スペース

家を取り巻く自然環境を把握した後は、具体的な間取りづくりとなります。

必要な間取りのプランは、一人暮らしなのか、カップルで住むのか、また、家族で住むならば子供の数は何人か、ペットと一緒かどうか、二世帯住宅なのかなど、住む人数構成で変わってきます。

一人暮らしであれば、自分の住みたい環境に徹底した間取りを考える、というのでもかまわないのですが、ヨーロッパでは、家の大小に関わらず、共通スペースと個人スペースがはっきりと区別されています。

共通スペースとは、玄関エントランス、リビング、キッチン 、バスルーム、洗面室、トイレ、収納倉庫・部屋など、個人スペースは、寝室、子供部屋、客室、書斎部屋、また個人用のトイレや洗面室などを指します。

個人または家族の各々の生活スタイルによってスペースの割合が異なりますが、一般的にみて、共通スペースを大きくとり、個人のスペースは比較的小さめに構成されることが多いです。

家の面積が大きくなるにつれ、趣味や仕事部屋が設けられたり、主寝室や客室に併設した個人専用の洗面室やトイレ、シャワールームが設置されたり、個人スペースの割合が増えていきます。

イタリアを例に見てみましょう。

より親しい知人や友人との会食は、外食ではなく基本的に自宅で頻繁に行うという国柄もあって、一人暮らしの小さな家でも、キッチンやリビングのスペースの割合はとても大きいです。

間取り作成に際して、最初に共通スペース部分を設定します。

これはその家が存在する間ずっと変わらない部分です。

その後、生活をしていく過程において修繕やリニューアルが施されかもしれませんが、基本的にこの共通スペースの形状が変わることはありません。

家の雰囲気を決定づける大切な部分なので、この共通スペースの間取り作成はとても慎重に行います。

一方、個人スペースは、フレキシブルに対応できるように考えるのが普通です。

時間と共に家族の人数、それぞれの空間の使い方や好みは変わってくるものなので、状況に応じて対処できるような空間づくりにします。

子供部屋も、子供の数や成長によって変化できるような構成にするのが普通です。

家の購入は、人生のうち何度もできるものではありません。

長い期間に渡りどんな人数構成に変わっても常に快適な空間をつくりあげるには、最初の間取りの考え方が重要です。

ヨーロッパの住居がとても快適に見えるのは、この共通スペースと個人スペースのメリハリを付けた間取りの考え方を上手に活用しているからです。

プライバシーの確保

快適な生活をするためには、プライバシーの確保は重要な課題です。

  • どの部屋も外からの視線が気にならないか。
  • 玄関ドアを開けた時、家の中が丸見えにならないか。
  • 散らかっているキッチンスペースが丸見えにならないか。
  • トイレやバスルームに行くのに気兼ねなく通れる動線が確保されているか。
  • 布団や洗濯物の干す位置は、外からみても気にならないか。
  • 布団や洗濯物を干すためまで動線がうまく確保されているか。

など、プライバシーの確保に注意したいのが『視線』と『動線』が上手く間取りに配慮されているかです。

また、

  • トイレやバスルームの音は、玄関、リビング、客室などに聞こえないか。
  • 足音のする通路や部屋が、リビングや寝室、客室の上部に配置されていないか。
  • 寝室は静かに保たれるか、交通量の多い道路に面していないか。」

という 『音』に対する考慮も必要です。

ヨーロッパの住居では、このプライバシーに対する配慮はとても重要なポイントです。

上記にもあげましたが、共通スペース以外にも個人専用のトイレ、洗面室、シャワールームを持っている家が多いのも、プライバシーを完全に保つためです。

欧米のバスルームはトイレ、洗面室、バス(またはシャワー)が一セットになっているのが普通です。

誰かがお風呂に入っていたらトイレが使えない等の理由で、トイレとバスが一緒なのに抵抗がある方も多いかと思いますが、トイレ・バスルームが2つ以上ある住居なら、その心配はありません。

来客のある際にも、来客は専用のトイレ・バスルームを好きな時間にゆっくり使用できますし、家の主も普段の生活リズムを狂わせることなく過ごせます。

ちなみに、日本では布団を外に干すのが一般的ですが、ヨーロッパでは、街の景観を重視するため表通りに布団を干すことはありません。

街の法律で義務づけられているところもあります。

布団を干さないとジメジメしてしまうのではないか?

と思われるかもしれませんが、気候が日本に比べて常に乾燥しているせいもあり、布団を干す必要性があまりないのです。

洗濯物も基本的に家の中、特にバスルームの一辺に専用のスペースを取り、そこに干すのが一般的です。バルコニー等、外に干す場合もありますが、そのときは表通りから見えない位置に干します。

プライバシーに関する考え方も個人によって大きく異なります。

どの点が自分にとって一番重要なのか考えながら、間取り作成することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

新しい住居の間取り作成は、希望する部屋数、そのスペースの配置の仕方や使い方の提案など、考えねばならない要件が沢山あります。

日本には日本の風土や気候、慣習があり、それに準じた使い方ができる間取りを形成するのが基本です。

実際、自然との調和した空間づくりは、日本家屋では常に行われてきました。

日本の伝統を活かしつつ、ヨーロッパの空間づくりの考え方を少々プラスすることでオリジナルな間取りを形成することができ、使う人にとって快適な空間を生むことができるようになります。

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