はじめに
現在は空前の低金利。金利が下がっているのは、全期間固定金利だけじゃありません。
変動金利もずいぶん低下しています。
2016年8月現在の最低は、新生銀行の0.40%(0.15%優遇キャンペーン中)。
0.4%というと、3000万円を35年間元利均等返済にしても、利息はたった約215万円にとどまる金利です。
3つの金利タイプの中で、最も低い変動金利。今回はその変動金利について、解説いたします!
安いものにはワケがある
注文住宅の購入手続きを進めていると、担当者から次々に魅力的なオプションを提案してもらうことになります。
最新式のキッチン、立て付け収納、ウッドデッキ…。それらが叶えば素敵な自宅になることは間違いないのですが、そこは資金との相談になりますよね。
そして、ハウスメーカーの担当者はなるべくたくさんのオプションを付けて、住宅の値段を上げようとします。
これは営業社員であれば当然のことで、それで良質な住宅が建つのですから、一概に批難はできません。
そして、だからこそ担当者は資金計画を変動金利で提案します。
なぜなら、固定よりも変動金利の方が金利は低く、月々返済額が同じでも、その分たくさんの資金を借り入れることができるからなのです。
そして、資金が増えた分、より多くのオプションを付けることが可能になります。
ですが、この提案には立ち止まって検討する必要があります。
なぜなら、変動金利で契約すると、金利が変動するからです。
現在は低金利でも、住宅ローンの返済は何十年も続きます。
その間に金利が暴騰する可能性は、十分に考えられるのです。
金利が上がったときには救済がある
返済期間中に金利が上昇すると、当然その分、利息は膨らむことになります。
そうなれば、契約時の返済計画は見直さねばならず、それは子供の教育費(大学進学時にまとまった資金が必要)や夫婦の老後資金を圧迫することにもなりかねません。
ただし一応、金利が上昇したときのために、変動金利契約者の家計を守るための措置は講じられています。
それは、次の2つ。
- 5年間は月々返済額が据え置き。
- 月々返済額は5年ごとに最大1.25倍までしか増えない。
ようするに、金利が上昇したからといって、急に毎月の返済額は増えないということですね。
ですが、これは契約者を守るための措置というより、契約者がきちんと返済できるようにして、金融機関の債権を守るためと解釈すべきでしょう。
なぜなら、月々の返済額が変わらないからといって、利息が増えないわけでも総返済額が変わらないわけでもありません。
利息が上昇しても返済額が据え置かれた分は、返済期間を延ばして帳尻を合わせるのです。
変動金利プランが向いている人は
変動リスクを負わなければならない変動金利プランは、実は市場の流れに身を任せる、かなり危険なことです。
「投資のような危なっかしいことはしたくない!」という感覚の人なら、まず選ぶべきではないでしょう。
反対に、市場の動きを的確に読み取って金利上昇局面で適切な対応ができる人なら、変動金利プランは向いています。
また、収入の増減が景気変動(≒金利変動)とリンクしている人も、変動金利プランを選んで良いかもしれません。
また、金利が1%を大きく下回る現在なら、こんな裏技もあります。
退職金などでまとまった資金があり、実は住宅ローンを組まずに住宅を一括購入できる人が、住宅ローン減税を狙って変動金利で借りる。
この場合、利息よりも減税額が大きくなります。
そして、減税期間が終了するか金利が上昇したら、全額繰り上げ返済するのです。
これなら、ノーリスクでかなりの節税ができますね。
まとめ
- 変動金利は3つの金利プランの中で、最も金利が低い。
- 金利が上昇すると、ライフプランに大きな見直しが必要になるため、変動金利はリスクが高い。
- 金利上昇時も急に月々返済額は増えないが、総返済額が増えないわけではない。
- 景気変動に合わせて収入が増減する人には、変動金利は向いている。
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