はじめに
住宅ローンの利息を軽減するための王道は、頭金を増やして借入額を少なくすることですね。
そのために貯蓄に励む住宅購入希望者は多いのではないでしょうか。また、両親などから資金援助を受けるという方も、決して少なくはないはずです。
ところで、両親などからによる頭金の援助も贈与にあたるというのは、ご存知でしょうか?
実は、きっちり贈与税が課せられるのです。
ですが特例的に、住宅取得資金のための贈与については非課税枠が設定されています。
今回は、「住宅取得等資金の贈与」の非課税について、解説いたします!
両親からの贈与には、どれだけの贈与税がかかる?
非課税について解説する前に、まずはそもそも両親から贈与を受けたときにどのくらいの贈与税が課せられるのかについて確認しておきましょう。
税務上は両親や祖父母は「直系尊属」と呼ばれ、直系尊属から20歳以上の者(子や孫)への贈与税は、一般の贈与と比べて低く抑えられています。
なお、普通に生活していても細々とした贈与は発生するもの。
贈与税は年間110万円が基礎控除され、110万円を超える贈与について課税されます。税率は、贈与額が200万円以下でも10%、1000万円を超えると40%、3000万円を超えると50%と大きいので、税負担は相当なものになります。
例えば1310万円の贈与を受けた場合、基礎控除分を除いた1200万円に課税されます。
1500万円以下の税率40%が適用されるので、贈与税額は1200万円×40%-190万円=290万円。
いかがでしょうか?
贈与税は、かなりの金額が課税される税なのです。
「住宅取得等資金の贈与」の非課税枠は?
それでは、「住宅取得等資金の贈与」という名目なら、どのくらいの金額が非課税になるのでしょうか?
住宅取得契約が結ばれるタイミング、また適用される消費税率が10%かどうかによって、その非課税枠には差が設けられています。
消費税率が8%の平成28年現在、一般的な住宅用家屋を取得するのであれば700万円+基礎控除額110万円=810万円が、良質な住宅用家屋の場合は合計1310万円が非課税だということになります。
後者の場合、先ほどの290万円がまるまる非課税になるわけですから、この制度のもつインパクトが知れるでしょう。
基礎控除額を除いた非課税枠は、平成29年10月からは500万円(良質な住宅用家屋の場合は1000万円)、平成30年10月からは300万円(同800万円)と徐々に縮小される予定ですが、消費税率が10%になると拡大することが決定しています。
なお、「良質な住宅用家屋」とは、省エネ等基準4相当以上、耐震等級2以上などという条件を満たした住宅を指します。
注文住宅を建築するなら、その点も確認しておく必要がありますね。
非課税適用のために注意すべき条件
最後に、この制度を利用する際に注意しておかなければならないポイントを押さえておきましょう。
- 贈与を受ける人(住宅を取得する人)は、贈与者の直系尊属でなければなりません。
- 贈与を受ける人は、贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上でなければならず、合計所得金額が2000万円を超えていてはいけません。
- 取得する家屋の床面積は50㎡以上240㎡以下(通常の住宅ならまず満たす条件です)で、その床面積の半分以上は居住専用に使われなければなりません。
- 家屋取得のタイミングによって、非課税額が大きく異なります。(上の2つめの表を参照)
まとめ
- 贈与税の税率は高く、数百万円もの課税は珍しくない。
- 平成28年現在では、住宅取得のためなら700万円(良質な住宅の場合は1200万円)までの贈与について非課税である。
- 「住宅取得等資金の贈与」が適用されるには、直系尊属からの贈与であることなどの条件がある。
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