目次
はじめに
家づくりをする上で、どのようなデザインや工法を選ぶのかも大切ですが、それ以前に、コンセプトを明確にする必要があります。
例えば、長年住み続けられる性能の良い家づくりをするとか、省エネを重視した家づくりをするなど、基本的な考え方に基づく選択肢も多くあるからです。
最近は「長期優良住宅」という言葉を耳にすることが多いと思いますが、実際にどのような住宅のことなのか、どれほどのメリットやデメリットがあるのかなどは理解されているでしょうか?
今回は「長期優良住宅」についてご説明いたします。
長期優良住宅とは
長期にわたって良好な状態で住宅を使用していくために必要な措置が講じられている優良な住宅のことを指します。
また、住宅を長期に渡って使用することで、住宅の解体除却によって発生する廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷も低減させることができる住宅であること。
その他に建て替えに係る費用の削減により、国民の住宅に対する負担軽減なども目的としており、2009年6月に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行されました。
長期優良住宅認定の基準は?
- 構造躯体等の劣化対策
- 耐震性
- 可変性
- 維持管理・更新の容易性
- 高齢者等対策
- 省エネルギー対策
- 一定以上の住宅規模及び良好な景観の形成への配慮
などの項目にわたり細かく設定されています。
認定基準に適合する住宅は所管行政庁へ認定申請をし、認定されると住宅ローン減税やその他の税制優遇措置がはかられています。
長期優良住宅のメリット
所得税の住宅ローン控除
一般住宅の控除対象限度額が2,000万円のところ、長期優良住宅では4,000万円となり、10年間の最大控除額は一般住宅は200万円ですが、長期優良住宅では400万円となります。(適用期間:平成26年4月1日~平成31年6月30日)
所得税の投資型減税
ローンを組まなくても所得税控除が受けられます。
これを「投資型減税」といい、性能強化費用相当額(上限500万円)の10%をその年の所得税額から控除されます。
登録免許税
所有権の移転登記・保存登記の登録免許税が軽減されます。
不動産取得税
一般住宅では1,200万円の控除ですが、長期優良住宅の場合は1,300万円が控除されます。
固定資産税
固定資産税の軽減期間が一般住宅の場合は3年ですが、長期優良住宅の場合は5年となります。(2分の1に軽減)
長期優良住宅のデメリット
建築コスト増になる
性能の良い住宅を建てるためにはコスト増になるのは当然のことで、デメリットとは言えないかもしれません。
しかし長期優良住宅の基準に合わせると、かなりのコスト増を覚悟しておきましょう。
申請に時間がかかる
長期優良住宅の認定を受けるにはかなり煩雑な手続きになるので、一般の住宅よりも余分に数週間~1か月の期間がかかります。
申請にコストがかかる
行政に支払う認定手数料(数万円)の他に、ハウスメーカーや工務店・設計事務所などが手間賃として上乗せします。(数万円~数十万円)
工務店・ハウスメーカーによって消極的な態度をとる場合がある
手続きに慣れていないハウスメーカーや工務店も多く、申請を嫌がる場合もあります。
ランニングコストがかかる
完成後にも10年ごとに点検が必要なので、そのときにどのくらいのコストがかかるのか不透明です。
まとめ
冒頭に書いたように、家づくりには様々な選択肢があります。
長期優良住宅は建てたいけれど認定申請はしたくない、する必要がないという方もいらっしゃいます。
メリットやデメリットを理解された上で自分に合った賢明な選択をしていただきたいと思います。
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