はじめに
住宅ローンを契約し注文住宅を購入すると、前後して金融機関からローンの返済計画表が届きます。
これは、ローン完済までの毎月の返済額とその内訳を示した表になります。
これを見て誰しも愕然とするのが、当初の返済額に占める利息部分の多さでしょう。
低金利でも借りている金額が巨大なため、どうしても利息が大きくなるのですね。
今回は、住宅ローン返済が始まってから、その支払利息を抑える方法について解説いたします!
2種類の繰り上げ返済
そもそも資金が不足していたから契約した住宅ローンですが、健全な家計なら返済を続けているうちに手元にまとまった資金が貯まってくるものです。
そして、この手元資金は金融機関に先に支払ってしまう(ローンを繰り上げて返済する)ことができます。
この先んじて返済した分のお金は、月々の返済とは異なり純粋に元金部分の返済に充てられるので、その元金についていた利息を帳消しにすることができます。
繰り上げ返済には、2つの方法があります。
- 期間短縮型:毎月の返済額はそのままで、繰り上げ返済した分返済期間が短縮されます。
- 返済額軽減型:返済期間はそのままで、繰り上げ返済した分毎月の返済額が減ります。
こんなにすごい!繰り上げ返済の利息軽減効果
百聞は一見に如かず。
それでは、繰り上げ返済の効果を検証してみましょう。
金利1%で3000万円を30年間の住宅ローンを元利均等返済で契約し、5年後に100万円の繰り上げ返済を行うとします。
|
繰り上げ返済前 |
繰り上げ返済後 (期間短縮型) |
繰り上げ返済後 (返済額軽減型) |
返済期間 |
30年 |
28年10か月 |
30年 |
総返済額 |
3473万6908円 |
3444万3927円 |
3460万6253円 |
利息軽減効果 |
|
29万2981円 |
13万655円 |
6年目以降の毎月の返済額 |
9万6491円 |
9万6491円 |
9万2723円 |
わずか100万円の繰り上げ返済で、利息軽減効果が高い期間短縮型なら約30万円もの利息軽減効果があります。
不景気でなくても、確実に30%ものリターンが見込める投資なんてありません。
ですが、繰り上げ返済ならそれと同等の効果を得られるのです!
また、返済期間短縮型は利息軽減効果こそ小さいものの、毎月の返済額を4000円近く減らすことができます。
教育費など支出の増大が近い将来に予測できるなら、家計の安定にはかなり寄与することでしょう。
繰り上げ返済を見込んだ住宅ローン設計を
良い住宅ローン設計の基本はできるだけ、
- 低い金利で
- 借入額を少なく
- 返済期間を短くすることです。
ですが、②と③はやりすぎてしまうと毎月の返済額が高額になり、家計がショートするというジレンマも抱えています。
住宅ローンはこの世で最も低金利のローン商品ですから、この返済のために消費者金融などに手を出してしまっては台無しです。
ですから、私は②③についてはローン設計時にはさほど気にしないことをおすすめします。
だって、手持ち資金に余裕が出れば繰り上げ返済で調整できるのですから。
それに、住宅購入直後には家具や家電を購入するなどまとまった支出が発生します。
そのこともふまえると、やはりギリギリのローン設計は避けるべきでしょう。
なおそのためには、繰り上げ返済手数料が無料の方が良いですよね。
金融機関選びの際には、それも考えておきましょう。
まとめ
繰り上げ返済で大幅に利息が軽減できる。
- 利息軽減効果は、返済額軽減型よりも期間短縮型の方が高い。
- 繰り上げ返済をみこしたローン設計をしよう。
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